
『この人はオオカミ』と、ヘレンが言った。『そして、あたしはワタリガラス』
インディアンの血を引くウィノミッシュ族のヘレンと密漁の潜入捜査をしていたデイン恋に落ちた。
しかしデインはヘレンの兄を告発し、裏切られたと感じたヘレンと苦い別れを経験する。
その後、潜入捜査の仕事はやめ結婚もせず、孤独な日々を送ってきたデイン。
たった一人の肉親である伯父のデューイも病の床にあり間もなくこの世を去ろうとしている。
伯父を見舞うため、20年前つらい気持ちで去った土地を再び訪れる。
そこで芸術家としての道を歩み始めたヘレンと再会。
お互いにまだ相手を愛していることを痛感する。
20年前のデインの嘘と、20年後のヘレンの秘密。
“いくたびの冬”を迎え過ぎて行っても忘れえぬ思い。
強く深い愛の結びつきと北の大地の美しい自然が
なぜか、ストイックで厳しい二人の気持ちを際立たせているように感じました。
物語のはじめはデインの伯父の山小屋から始まりますが、
そこから見える景色の描写と山小屋への愛情がとても心に残ります。
そしてデューイの死の場面も荘厳で美しく心を打ちます。
冒頭に引用したヘレンの言葉の「オオカミとワタリガラス」もたびたび登場し、
ヘレンの家の周りにいるワタリガラスのソートとメモリーの2羽も重要な存在です。
愛し合う二人がともになるまで長い年月を要することになってしまった切ない物語ですが、
ロマンチックで胸を打つ素敵なラブ・ストーリーでした。
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